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検査と診断

甲状腺ホルモンと甲状腺刺激ホルモンのバランスに問題があるTSH不適切分泌症候群で、自覚症状が問題になる場合、甲状腺ホルモン不応症と下垂体のTSH産生腫瘍を想定した検査が行われます。

●血液検査

甲状腺ホルモン(FT3, FT4):高値 または 正常
甲状腺刺激ホルモン(TSH):高値 または 正常
甲状腺関連自己免疫抗体(TSAb、TPOAb):陰性

ごく稀に、「打ち消し抗体」により、これらのホルモンの値を実際の値とは異なって見せることがありますので、ホルモンの値の整合性が疑われる場合は、想定されるいくつかの抗体については、確認します。
ヒト抗マウス抗体(HAMA = Human Anti Mouse Antibody)やT3抗体、T4抗体がその代表です。ただし、現在の試薬は、T3抗体、T4抗体の影響を受けにくいものが増えているため、T3抗体、T4抗体の検査をすることは稀です。

●甲状腺ヨード取込率検査(アイソトープ検査)

甲状腺ホルモン不応症の場合は、甲状腺ヨード取込率は通常より高くなります。(30%以上)
甲状腺ホルモンは、ヨードを材料につくられますが、体内でこのヨードを必要とするのは甲状腺だけです。(稀に卵巣腫瘍のなかで、甲状腺のような働きがおきる場合がありますが、ほとんどないようです。)
それを利用して、事前にヨード制限食をつづけて、体内のヨードを減らした状態にして、ごく微量の放射線を含んだヨードをカプセルで飲み、甲状腺に集まった放射能ヨードを特殊な器械で造影する検査です。
カプセルで飲んだヨードがどのくらいの率で甲状腺に集まったかによって、甲状腺の活性率を測ったり、甲状腺の全体の形や大きさ、特にヨードが集中するような腫瘍がないか、などを検査します。

●T3負荷検査(T3負荷下の甲状腺uptake)


T3剤(チロナミン 1日75μg)で1週間負荷をかけたうえでの測定(131I-甲状腺uptakeシンチグラム)や基礎代謝検査、TRH負荷検査をします。

●TRH負荷検査

甲状腺ホルモン(T3)を投与し、血中の甲状腺ホルモン濃度を高めたうえで、TRHという下垂体刺激ホルモンを注射で投与し、それに対するTSH分泌の反応を検査します。
下垂体のネガティブ・フィードバックが正常の場合は、TRHが投与されても、TSHの分泌は抑制されますが、フィードバックが不良になる甲状腺ホルモン不応症の場合は、T3の濃度に関係なくTSHが分泌されます。(TRH投与の約30分後がピーク)
30分間隔で30分後、60分後、90分後の計測をつづけます。

●甲状腺エコー(超音波検査)

喉にゼリーを塗って、超音波で、甲状腺の形状や大きさを検査します。甲状腺が肥大しないように、管理するために、検査します。

●頭部CTやMRI

下垂体腫瘍の可能性を打ち消すために、CTやMRIを行います。
異常値が現われる場合には、腫瘍は大きいことが多いのですが、過去に、造影剤を使わないと見えないような微細な腫瘍が原因で、TSHが過剰の産生された例がまれに報告されています。

下垂体腫瘍がある場合、T3での負荷検査が下垂体卒中の引き金になる可能性があるので、必ず、T3負荷検査の前に下垂体腫瘍の検査を終了する必要があります。

●基礎代謝

朝の安静時における呼気計測から、基礎代謝を計測します。
不応の症状が進んでいる場合は、代謝が非常に低下しています。

●遺伝子解析

多くの場合、第3染色体のT3受容体(TRβ)にかかわる部分での異常が見つかります。
ただし、この部分に異常が見つからない場合があり、DNAを転写する酵素の遺伝子異常など、甲状腺ホルモン不応症が発生するほかの原因が研究されています。
家族性の検査(問診、血液検査、上記の検査)が行われる場合もあります。

遺伝子診断は、患者やその家族にとって、長い時間をかけて影響を当たるものですから、検査や結果の扱いは、慎重が求められるます。
「知る権利」「知らない権利」が尊重されることが重要で、想定される利益・不利益、検査を受けるかどうかが本人の自由意志で決められること、検査を中止したり、結果を聞かない権利があることがきちんと共有されることが大切です。実施前に、十分な遺伝カウンセリングを行い、必要に応じて、実施後にもカウンセリングを継続することは有効です。
遺伝医学関連10学会による「遺伝学的検査に関するガイドライン」(2003年8月)はこちらを参照ください。

●診断基準

原則的に、以上の検査結果から複合的に判断します。
厚生省特定疾患ホルモン受容体機構異常調査研究班による、診断の手引きこちら
その他、さまざまな甲状腺の病気についてはこちら

参考文献こちら
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tag : 甲状腺ホルモン不応症

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