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甲状腺ホルモン不応症診断の手引き

厚生省特定疾患ホルモン受容体機構異常調査研究班
平成4年度報告書(1992年)による
甲状腺ホルモン不応症診断の手引き



甲状腺ホルモン不応症にみられる所見


①血中遊離甲状腺ホルモン濃度と全身の代謝状態が合致しない。
②血中遊離甲状腺ホルモン濃度に不相応な甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌がみられる。
③甲状腺ホルモン投与による代謝状態の変化が乏しい。
④甲状腺ホルモン投与によるTSH分泌の抑制が不十分。
⑤甲状腺受容体遺伝子異常が認められる。

[診断基準]
上記所見のうち、
 ①②③④を満たすもの・・・全身型
 ②④を満たすもの・・・・・・下垂体型
臨床症状、所見がはっきりしていなくても⑤が認められれば本症である可能性は高い。
(注)①③を満たすものは「末梢型」と分類されるが、世界で1例の報告があるのみである。

病型別の所見

(注1)
I. 全身型
血中遊離甲状腺ホルモン濃度が高値であるにもかかわらず、それに相応するTSH分泌の抑制、末梢代謝状態の亢進は認められず、外因性甲状腺ホルモンに対する反応性が乏しい。

II. 下垂体型
血中遊離甲状腺ホルモン濃度が高値であり、末梢代謝状態は亢進しているが(注2)、TSH分泌の抑制が認められない。

(注1)I.とII.の区別はあくまで臨床的なものである。また両者の区別が必ずしも容易ではないこともある。
(注2)末梢組織によっては代謝亢進状態の程度に差があり、必ずしもすべての組織で亢進しているわけではない。

[参考所見]
1) 本症ではTSHの分泌増加を伴うため、甲状腺腫を認め、甲状腺ヨード摂取率が高値であることが多い。
2) 全身型では骨発育遅延のみられるものや、知能低下、精神障害などを伴う例の報告がみられる。
3) 全身型では多くの場合家族発生がみられる。

診断の進め方


血中遊離サイロキシン(Free T4)、遊離トリヨードサイロニン(Free T3)濃度高値(注3)TSHが正常ないし高値
 ↓
TRH負荷試験を行い、TSH分泌抑制が不完全であることを確認(注4)
 ↓
末梢代謝状態の評価(注5、6)
 亢進 → TSH産生腫瘍の除外 → 下垂体型の可能性
 正常ないし低下 → 全身型の可能性
 ↓
T3を段階的に漸増投与し、末梢代謝状態、TSH分泌の反応を検討
 ↓
甲状腺ホルモン受容体遺伝子の異常を検索することが望ましい。

(注3)TBG増加、異常アルブミン、抗T4・T3抗体の存在を除外する。
 (T4、T3、TBG、free T4、freeT3値を参考)
(注4)抗TSH抗体、HAMA (human anti-murine antibody)除外。
 TSHの生物活性の確認(外因性T3投与時の甲状腺腫の縮小、T4、サイログロブリン値の低下等を参考)
(注5)代謝状態は臨床的に判断するが、参考になる所見としては、睡眠時脈拍、Al-p、基礎代謝、ET/PEP、総コレステロール、CK、フェリチン、sex hormone binding globulin (SHBG)、尿中ハイドロキシプロリンなどがある。
(注6)組織により、甲状腺ホルモンに対する反応性に差がみられることがある。


文献: 『難病の診断と治療方針2 改訂版』疾病対策研究会・編集(六法出版社)2001年

tag : 甲状腺ホルモン不応症

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